借地権を相続した際の登記について
借地権を相続した際に登記はいつまでに何をしたらいいでしょうか?
素朴な質問に答えます。
目次
相続登記(不動産の名義変更)とは? 登記はいつまで?
中野相続手続センター
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ名義の変更を行なうことをいいます。すなわち、被相続人名義の不動産を、相続人が相続(取得)した場合に、被相続人から相続人に名義変更する手続きです。
そして、相続登記は法律上の期限を決められているわけではありません。よって、相続登記をせずに放置していてもなんの罰もありません。ただし、問題は別にあるのです。
相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士でモメてしまう可能性があり、そうした事態を避けるために不動産の相続登記を行なうのです。
遺産分割協議により、通常の法定相続分とは異なる相続分の不動産を相続したときは、きちんと相続登記をしていなければ第三者に「この不動産は自分のものだ」と主張することができません。よって遺産分割協議により不動産を相続する場合には、相続登記をかならず行なうことが必要となります。
例えば、父、長男、次男、そして長男の子は5人いたとします。父が亡くなり、相続が発生したけども相続登記をせずにそのままになっていた場合、長男が亡くなってさらに相続が発生しました。その場合、遺産分割協議は次男と長男の子5人の合計6人でしなければいけません。
6人全員で遺産分割協議書を作成、6人分の印鑑証明書、6人分の実印も必要です。相続登記をしないまま相続人が亡くなり、新たな相続が発生すると別の法定相続人が登場したりと、相続手続きがとてもややこしくなります。
もし、相続財産で放置されていた不動産の売却を考える場合は、相続人の関係がとても複雑になり、法定相続人も通常の相続よりも多く登場することで、相続人同士がモメてしまって遺産分割協議の話し合いはまったく進まず、不動産を売却するには相当な時間と手間がかかることになります。
そのため、相続登記は放置せずに早めにしなければいけません。また、相続した不動産を売却したい場合はもちろんですが、相続した不動産を担保に銀行から融資を受ける場合も、かならず相続登記を済ませておかないと銀行の手続きは進みません。
実際、金融機関などの第三者に対しては、相続登記をしないと手続きは何も進まないので、相続登記はかならず行なうことが必要です。
こちらは借地権にとらわれず不動産相続について解説しています。
借地権を相続した!
湘南台司法書士事務所
借地権とは、建物を所有するために、他人の土地に設定された賃借権や地上権のことです。借地権も財産なので、当然に相続の対象になります。
たとえご相談者がお父さんと同居していなかったとしても借地権を相続することができます。「借地権者がなくなったのだから、土地を返してほしい」という地主の要求に応じる必要はありません。
この点、借地上の建物を第三者に譲渡する場合には、必ず地主の承諾が必要になるのとは異なります。
よく、借地権の相続を聞きつけた地主から、賃貸借契約書の名義書換や名義書換料の請求をされることがあるようですが、賃貸借契約書をわざわざ作りなおしたり、名義書換料まで支払ったりする義務は全くありません。
ただし、今回の場合相続人が2人いるので、誰が今後借地人となり賃料を支払うのかを地主に内容証明で通知しておくとよいでしょう。
また、建物の所有権については、相続登記をしてご相談者名義に変更しておく必要があります。
尚、相続した借地権が定期借地権の場合も当然に相続することができますが、存続期間が定められていて、存続期間満了すると借地権は消滅し、建物を解体して土地を地主に返さなければなりません。
定期借地権とは、存続期間を50年以上とする借地権で、契約の更新や延長がなく、建物買取請求なども認められていないものです。念のため、父親と地主との間で交わされた当初の契約書を調べるとよいでしょう。
定期借地権についての登記について解説しています。
借地権相続する際の「対抗要件」とは?
相続弁護士ナビ
借地権の契約をした地主に対して建物登記していなくても借地権の主張ができる事は当然として、地主が亡くなった場合はその相続人に対しても同様に借地権を主張できます。しかし、地主が土地を第三に売却し、新たな地主が現れた場合は厄介です。
何が問題になるかというと、地主が新しくなった場合、その土地をもし出て行けと言われた場合、借地権を持っていても立ち退かなくてはいけなくなるからです。これに対抗する為には二つの要件が必要となります。
その1:建物に借地人の登記がなされている事
借地人は借地上に建物の登記をする事により『借地権の登記』が無くても対抗する事ができます。しかし、借地名義人と登記名義人が同一でない場合、例えば建物が妻や息子のなどの所有名義になっている場合は対抗する事ができません。 借地名義人と建物の登記名義人とが違う場合には、地主が売買などで交代した場合に借地権を対抗できず、建物を収去して土地を開け渡さなければなりません。
借地権も登記しておくことで、新地主に対して対抗することが可能になります。
その2:借地上に建物が存在している事
借地上に登記(所有権保存登記)された建物が存在している事も重要になります。しかし、火事などで建物が滅失した場合は、滅失してから2年間は建物を特定するための必要な事項(登記簿明細、滅失日)、新たに建物を建築する旨をその土地の上に掲示する必要がありますので、のんびりやっていると手遅れになる可能性もありますので注意しましょう。
こちらは、対抗要件について説明しています。登記とは何か?対抗要件とはを説明しているのでわかりやすいです。
建物の名義に注意
相続税相談ナビ
建物が誰の名義になっているかを確認することです。相続をしただけでは名義は変わりません。登記することによって移ります。
もし祖父-父-子で相続した場合、父が祖父から相続した際に登記していなければ、名義は祖父のままです。
登記の役割についてわかりやすく説明しています。
死亡による相続
相続登記相談室
質問:
父は、借地上に建物を建てて住んでいましたが、先日亡くなりました。父名義のこの建物を私が相続して今後も住み続けるには、地主の承諾が必要になるのでしょうか?なお、相続人は私と兄の2人だけです。
答え:
借地上の建物及び借地権を相続するのに、地主の承諾は必要ありません。また、土地の賃貸借契約書を書き換える必要もありません。ご相談者から地主に「土地の賃借権(もしくは地上権)を相続により取得しました。」と通知すれば十分です。
建物の所有権については、ご相談者名義に相続登記をしなければなりません。
解説
借地権とは、建物を所有するために、他人の土地に設定された賃借権や地上権のことです。借地権も財産なので、当然に相続の対象になります。
たとえご相談者がお父さんと同居していなかったとしても借地権を相続することができます。「借地権者がなくなったのだから、土地を返してほしい」という地主の要求に応じる必要はありません。
この点、借地上の建物を第三者に譲渡する場合には、必ず地主の承諾が必要になるのとは異なります。
よく、借地権の相続を聞きつけた地主から、賃貸借契約書の名義書換や名義書換料の請求をされることがあるようですが、賃貸借契約書をわざわざ作りなおしたり、名義書換料まで支払ったりする義務は全くありません。
ただし、今回の場合相続人が2人いるので、誰が今後借地人となり賃料を支払うのかを地主に内容証明で通知しておくとよいでしょう。
また、建物の所有権については、相続登記をしてご相談者名義に変更しておく必要があります。
尚、相続した借地権が定期借地権の場合も当然に相続することができますが、存続期間が定められていて、存続期間満了すると借地権は消滅し、建物を解体して土地を地主に返さなければなりません。
定期借地権とは、存続期間を50年以上とする借地権で、契約の更新や延長がなく、建物買取請求なども認められていないものです。念のため、父親と地主との間で交わされた当初の契約書を調べるとよいでしょう。
こちらは死亡によるそ族の事案について司法書士の方が解説しています。
死亡による相続は比較的多く、参考になるはずです。
ぜひ読んでみてください。