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借地権を遺贈!

遺贈とは何か?詳しく解説します。

目次

相続と遺贈について!
建物と借地権を遺贈するには!
借地権の相続と遺贈
特定遺贈と相続させる旨の遺言の違い

相続と遺贈について!

田村行政書士事務所

参考:田村行政書士事務所

〇「相続させる」という遺言

特定の遺産を、特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合、原則、遺産分割方法の指定とされますので、相続開始と同時に遺産分割を要せず、当然にその財産を取得するものとされています。(相続財産が不動産の場合、遺贈を受けた者は単独で所有権移転登記をすることができます)
ただし、「相続させる」相手は、法定相続人に限られ、相続人以外の者に「相続させる」旨、遺言することはできません。



〇「遺贈する」という遺言

遺贈とは、遺言で、財産の全部または一部を、相続人又は相続人以外の人に無償で贈与(譲渡)することをいい、遺贈の効力は、遺言者が死亡した時に発生し、所有権移転の効果が生ずるとされています。ただし、遺贈の効果を、第三者に主張するためには、所有権移転登記等の対抗要件が必要になりますので注意が必要です。

遺言で法定相続人以外の者に財産を取得させるには、遺言書を作成して、「遺贈」する方法しかありません。
また、遺贈する場合には、他の相続人の「遺留分」に配慮することを忘れてはいけません。
遺留分権利者から減殺請求を受けると、侵害した部分については財産を返還しなければなりません。

また、受遺者が、相続人と同じ「相続欠格事由」に該当する行為を行ったときには、遺贈を受けることはできなくなります。


〇特定遺贈と包括遺贈

・特定遺贈

特定遺贈とは、個々の財産を特定して遺贈する方法です。包括遺贈とは異なり、受遺者(遺贈を受けた者)は遺贈されたものだけ取得し、被相続人がどんなに多くの負債を抱えていたとしても負担する義務はありません。

<特定遺贈の放棄>

遺贈を受けたくないときには、遺言者が死亡した後、いつでも相続人や遺言執行者に対して遺贈を放棄する旨を通知すればいいことになっています。

なお、遺贈の放棄は遺言者の死亡後に行いますが、放棄の効力は遺言者の死亡時までさかのぼって発生します。

放棄の意思表示の方法・時期については特に制限はありませんが、後日、トラブルとならないためにも書面で行うようにお勧めします。

また、特定不動産の遺贈があった場合は、相続人が移転登記義務を負うことになりますが、もし、遺言執行者が指定されているときには、遺言執行者が義務の一切を履行することになります。

・包括遺贈

個々の財産を特定しないで、割合で遺贈する方法で、受遺者は積極財産のみならず消極財産も承継します。(財産の5分の1を遺贈するというように、包括的割合を示して財産を取得させる方法)

<包括遺贈の放棄>

包括受遺者(包括的に遺贈を受けた者)は、相続人と同じ立場にたちますので、遺贈された割合で債務についても負担しなければなりません。
従って、マイナスの財産の方が多い場合には、相続人と同様、遺贈の放棄や限定承認することで債務の負担を免れることができますが、家庭裁判所への正式な手続きが必要となります。

なにもしないで3ヶ月経過すると、単純承認したものとみなされるので注意が必要です。
なお、包括遺贈の放棄は、特定遺贈の場合と同様に、遺言者の死亡後に行うことができます。

そもそも相続と遺贈の違いについて解説しています。
違いが判ることによってその後起きうる問題点を整理することが可能になります。

建物と借地権を遺贈するには!

マイベストプロ

参考:マイベストプロ

借地上の建物を相続するとき、その借地権を相続することに、地主の承諾は必要ありません。
借地上建物を相続した方が、土地の所有者に挨拶に行ったところ、
承諾料を求められたけれど、どうしようかと言ってこられましたが、
遺産分割協議によっても、相続させる旨の遺言による場合も、地主の承諾は必要ないですし、
法的に、承諾料も必要ありません。そこが、スタート台となります。

同じ遺言であっても、相続人以外に遺贈する場合は、
地主の承諾もしくは地主の承諾に代わる裁判所の許可が必要です。

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を遺贈する場合、
地主が、それによって不利にならないにも関わらず、借地権の遺贈を認めない時は、
遺言者の法定相続人、それが難しければ、遺言施行者は、
遺贈の目的物を受遺者に引き渡すか、建物の所有権移転登記手続きを行う前に、
裁判所に、地主の承諾に代わる許可を求めることができます。

注意すべきは、裁判所が許可を出す際に、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、
賃借権の譲渡を条件とする借地条件の変更を命じ、
又は、その許可をお金の支払いに係らしめることができることです。

第三者といっても、様々です。
同居の内縁の夫もあれば、
知人との間で、一代限りという特約のもとに、土地を賃貸している場合もあるでしょう。
特約があったとしても、その有効性を争って無効となる可能性がある場合もあります。
そういった場合は、建物と一緒に、底地借地権を遺贈する旨の遺言をしておくことも検討したいところです。

司法書士が、借地権の遺贈について解説しています。
相続、遺贈など専門にしているため、参考になります。

借地権の相続と遺贈

相続コラム

参考:相続コラム

建物を相続するとき、その借地権も相続します。従物(他の物に付属する物=借地権)は主物(従属せしめられる物=建物)の処分に従うからです(民法第87条第2項)。

一方、借地権の譲渡(契約によって借地権者の地位が移転すること)には、賃貸人の承諾が必要です(民法第612条)。無断転貸については、地主は契約を解除できます。

相続の場合は包括承継ですから、借地権の相続に地主の承諾は不要です。

建物が遺贈されたとき。この場合は、建物を取得した者は、地主の承諾が必要になります。ただ、土地の利用関係や、地代の支払いなど、従前の賃貸借と変わりがない場合には、地主の承諾を得ない借地権の遺贈も、信頼関係の破壊がなく、地主は土地賃貸借契約を解除できないと判断されることが多いです。
また、地主の承諾がなくても、裁判所に承諾に代わる裁判を求めることができます。このとき、裁判所は一定の承諾料の支払いを条件とすることがあります。

こちらは弁護士による法定相続と遺言相続についての記事になります。
概念的な話ですが参考になります。

特定遺贈と相続させる旨の遺言の違い

ピクト法律事務所

参考:ピクト法律事務所

1 相続させる旨の遺言と特定遺贈の共通点
 まず、特定遺贈と相続させる旨の遺言を、混同しやすい理由として、大きな共有点があるということがあります。それは、遺言の効力により、ある特定の財産の所有権等特定の権利を移転させる効果を持つという点です。
 例えば、「不動産Aを甲に相続させる。」、「不動産Aを甲に遺贈する。」などであれば、いずれの場合も、不動産をAを遺言によって甲に帰属させる効果を持ちます。
 

2 相続させる旨の遺言と特定遺贈の異なる点
 
 このような共通点のある「相続させる旨の遺言」と特「定遺贈」ですが、法的効果を考える際に違いが生じます。
 主な違いは、相続させる旨の遺言は、あくまでも「相続」であり、包括(一般)承継である一方、特定遺贈は、特定承継であるというところから生じます(【包括承継と特定承継の違いについての記事】)。

 つまりは、相続される旨の遺言(包括承継)では、被相続人とあたかも同じ人のように権利義務を引き継ぐことになりますが、特定遺贈(特定承継)では、被相続人と受遺者との関係で贈与等の契約があったものに近い譲渡されるということになります。
 以下は、相続させる旨の遺言と特定遺贈の主な具体的な違いが現れる場面をご紹介します。
 
 

2.1 対象者
 まず、相続させる旨の遺言では、その名の通り、「相続」ですから、相続人にしか行うことができません。

 一方、特定遺贈は、上記のように特定承継を生じさせる行為ですので、基本的には誰に対してもすることができます。もちろん、相続人に対する特定遺贈も可能なわけです。
 

2.2 単独登記の可否
 例えば、特定の不動産Aを甲に相続させるまたは遺贈するという場合には、当然ですがその後、不動産の登記名義を甲に移転する必要があります。

 そのような場合、相続させる旨の遺言では、不動産Aと不動産Aの所有者であり遺言者であるという被相続人の地位を、甲が包括承継します。ですので、登記をする場合には、基本的に元所有者と新所有者両名が協力する必要があるのですが、その両名の地位が同一人物である甲に包括承継されることから、甲は単独で登記手続きを完了することができます。
 
 一方で、特定遺贈の場合には、特定承継ですので、例えば不動産の売買があった場合でいう売主と買主が協力して、登記をするという形と同じになります。つまり、遺贈者としての被相続人の協力義務を、甲を含めた相続人「全員」が承継しますので、その他の相続人と受遺者である甲が協力して、登記手続きを完了しなければなりません。
 この場合、法律上は、他の相続人も協力義務を負いますので、問題がないように思えますが、相続の場面(特に遺言がある場面)では、他の相続人が甲に対して、よくない感情を持っているということもあるので、稀に手続きが進まないこともあるのです。なお、この問題は遺言執行者を選任しておくことで回避できますので、できれば遺言執行者は定めておいた方が良いでしょう。
  

2.3 借地・借家権など
 土地や建物を賃貸借で借りていた場合、被相続人が死亡しても、賃貸借の契約関係は存続します。その際に、この借地権や借家権をある特定の相続人に相続させるまたは遺贈させる場合です。
 この場合、法理論的には、「相続させる」であれば、当然に賃借人である地位も包括承継しますので、賃貸人の承諾を得る必要はありません。一方、「特定遺贈」であれば、これは特定承継、つまり権利の譲渡にあたりますので、賃貸人の承諾を得なければ賃借人の地位を承継できないということも考えられるのです。
 

2.4 第三者への対抗力
 特定の不動産Aを甲に相続させる旨の遺言では、甲以外の相続人の債権者などの第三者が、その不動産のその相続人の持分に対して、仮差押えおよび差押えをした対抗要件を備えた場合、甲は不動産Aの相続による取得の登記をしていなかったとしても、この第三者に対して、その他の相続人の法定相続分を自己の所有であることを主張することができるとされています。なお、【対抗要件についてはこちらの記事】をご覧ください。
  
 つまりは、特定の財産を特定の相続人に対して、相続させる旨の遺言の効果は、特段の事情のない限り、何らの行為を要せずに、被相続人死亡の時に直ちに当該遺産当該相続人に相続により包括承継されるされている(最高裁平成3年4月19日)ことから、そもそも、その他の相続人に対して対象財産の法定相続分の移転が観念できなため、第三者の対抗要件は、無効であるというふうに判断されます(最高裁平成14年6月10日)。
 

相続と遺贈について、弁護士が実際の裁判例を用いて詳細に解説しています。

判例も乗っていたり、表でまとめているため非常に見やすいです。

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人生において"被相続人"となることは、一度か二度だけしかありません。しかし借地権に絡む相続に関する法律は、改正を繰り返しまいます。「借地権を遺贈!」で失敗や騙されない為に借地権の相続の情報を収集して専門家と知識の差を埋める事が大切です。

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