借地権を相続した場合!
借地権を相続する場合について
目次
借地権を相続した場合の相続手続き
税理士法人チェスター
借地権とは、建物を所有するために地主に賃料を支払って土地を借りて使用する権利です。土地を借りているため、財産として認識していない人もいますが、借地権も相続財産の対象になります。
借地権の相続では地主から金銭を要求されることがありますが、これは支払わなくてよいものです。借地権の相続手続きについて正しく理解していなければ、支払わなくてもよい金銭を支払うことになりかねません。
この記事では、借地権を相続した場合の相続手続きについて解説します。借地権をすでに相続した人や、今後借地権の相続が見込まれる人はぜひ参考にしてください。
1.借地権を相続したらまずは地主に連絡する
借地権を相続したらまずは地主に連絡します。この連絡は、地主との良好な関係を維持するため、または賃料の支払いをスムーズにするために行います。地主の承諾や地主への承諾料の支払いが必要かどうかは、法定相続人への相続であるか、法定相続人以外への遺贈であるかによって異なります。
2.地主との契約書がない場合の借地権の相続手続き
長年にわたって土地を借りている場合、地主との契約書が存在しない場合もあります。
借地権(定期借地権を除く)は契約書がなくても契約が成立しており、改めて契約書を作成する義務はありません。契約書がない場合も借地権の相続ができます。地主の承諾が必要かどうかは、「1.借地権を相続したらまずは地主に連絡する」でお伝えしたとおりです。
今後の取引関係を考慮して、原契約ではなく更新契約という形で契約書を作成しておくのもよいでしょう。
3.借地権を相続した場合に名義変更料は必要なのか!?
借地権の相続では地主の承諾は不要ですが、借地権の譲渡では地主の承諾が必要です。地主が相続と譲渡を混同して、借地権を相続した人に名義書換料や承諾料を要求するケースがしばしばあります。
借地権の相続では、取引関係を明確にするために契約書を書き換えて少額の手数料を支払うことはあっても、名義変更料や承諾料という名目で金銭を支払う義務はありません(契約書書き換えの少額の手数料を名義変更料と呼ぶこともあるため、請求されたときは内容を確認しましょう)。
名義書換料や承諾料を要求されないように、借地権を相続したことを地主に連絡しないケースもみられます。しかし、取引関係を円滑にするためにもできるだけ早く地主に連絡するようにしましょう。
一方、賃借料は遺産分割が決まらない間でも支払わなければなりません。遺産分割が遅れていることを理由に賃借料を支払わなかったり、一部しか支払わなかったりといった行為は認められません。
4.借地権の名義変更手続きで相続登記は不要
借地権を相続したときは、借地権そのものを相続登記する必要はありません。借地上にある建物を登記することで第三者に借地権を主張できるため、借地権を登記しているケースはごくまれです。建物の相続登記をして建物の登記名義を借地権者と一致させることで、第三者に借地権を主張できるようになります。
5.借地権を売却したいときの手続き
遺産分割や相続税の納税のために借地上の建物を売却する場合は、借地権も同時に売却することになります。
借地権を売却するときは地主の承諾が必要で、承諾料を地主に支払う必要もあります。地主の承諾が得られない場合は、家庭裁判所で借地権譲渡の承諾に代わる許可を受けることができます(借地借家法19条)。
具体的な手続きや準備について記載しています。わかりやすいです。
借地権を相続したケース!
相続登記相談室
借地権を相続した
質問 父は、借地上に建物を建てて住んでいましたが、先日亡くなりました。父名義のこの建物を私が相続して今後も住み続けるには、地主の承諾が必要になるのでしょうか?なお、相続人は私と兄の2人だけです。
答え 借地上の建物及び借地権を相続するのに、地主の承諾は必要ありません。また、土地の賃貸借契約書を書き換える必要もありません。ご相談者から地主に「土地の賃借権(もしくは地上権)を相続により取得しました。」と通知すれば十分です。
建物の所有権については、ご相談者名義に相続登記をしなければなりません。
解説
借地権とは、建物を所有するために、他人の土地に設定された賃借権や地上権のことです。借地権も財産なので、当然に相続の対象になります。
たとえご相談者がお父さんと同居していなかったとしても借地権を相続することができます。「借地権者がなくなったのだから、土地を返してほしい」という地主の要求に応じる必要はありません。
この点、借地上の建物を第三者に譲渡する場合には、必ず地主の承諾が必要になるのとは異なります。
よく、借地権の相続を聞きつけた地主から、賃貸借契約書の名義書換や名義書換料の請求をされることがあるようですが、賃貸借契約書をわざわざ作りなおしたり、名義書換料まで支払ったりする義務は全くありません。
ただし、今回の場合相続人が2人いるので、誰が今後借地人となり賃料を支払うのかを地主に内容証明で通知しておくとよいでしょう。
また、建物の所有権については、相続登記をしてご相談者名義に変更しておく必要があります。
尚、相続した借地権が定期借地権の場合も当然に相続することができますが、存続期間が定められていて、存続期間満了すると借地権は消滅し、建物を解体して土地を地主に返さなければなりません。
定期借地権とは、存続期間を50年以上とする借地権で、契約の更新や延長がなく、建物買取請求なども認められていないものです。念のため、父親と地主との間で交わされた当初の契約書を調べるとよいでしょう。
実際のユーザーからの質問です。相続人が複数いる場合について記載しています。
借地権の相続と名義変更料
阿部恵子行政書士事務所
借地権を相続した時に知っておくべき事
借地権相続で知っておくべきこと 借地人さんが亡くなった場合の借地権の相続はどうなるのでしょうか? 遺言や遺産分割協議により地主さんの承諾に関係なく一般の相続財産と同じように相続人に継承されます。また相続財産の一部として相続税の対象となりますょうか? 遺言や遺産分割協議により地主さんの承諾に関係なく一般の相続財産と同じように相続人に継承されます。また相続財産の一部として相続税の対象となります。
行政書士が実際の手続きについて説明しています。